宇田(旧姓・山島)由香さん

シクロワイアードの訃報記事。
http://www.cyclowired.jp/?q=node/35975
昼頃、DJがらぱさん(id:galapa:20100702:1278062111)の呟きを介して、訃報を知った。
東京で、競技とは無縁のポタリングライフを送り、大阪に戻ってきた2007年夏、朝箕面を走っていると、とんでもなく速い女性にぶち抜かれたのが多分最初。平日朝の私が走るタイミングで、オレンジのルイガノの、やたらに速い女性が箕面を駆け回っていて、何も知らなかった私は「女子もがんばればあんなに速く登れるようになるんだ!!」と、勘違いしたものであった(他にも箕面には、シルベストの(私と同じぐらいかちょっと長いぐらいの初心者にもかかわらず)めちゃ速い女子ばかりいたので、勘違いがさらにエスカレートするのだが、山島さんの速さは、本当に超一流だった)。
彼女は、その頃には既に実業団の女子のトップ選手で、初めてお話したときも「実業団なんて凄いです!!」「すごくないですよー、登録したら誰でもなれちゃうんですよー!」なんて謙遜されていたけど。そりゃ、実業団なんて登録すれば誰でもなれると、ずるずると登録3年目の今なら思う。
でも、誰も山島さんにはなれないよ……。彼女がいなければ、今のサイクルベース・あさひレーシングはなかっただろうし、女子ロード界のみならず、自転車界に及ぼした影響は本当に大きいと思うのだ。
最後にお会いしたのは、多分、2008年のシクロクロスの日吉のプロローグ。11月なのにやたらと暑い日だった。彼女はシルベストの朝練の男性たちと一緒に走ってきた。「山島さんはシクロクロスしないんですか?」と聞くと、「いやあ、とてもじゃないけど、できませんよ!!」と答えていた。きっと凄まじく速かったと思うのだけれども。
縁あって、今年の3月に一度メッセージをいただいた。お元気そうな文面に、きっと帰ってきてくれると確信した。でも、春ごろから急に色々と具合が良くなくなっていたようだ。
今年の富士HCのときに集めた寄せ書き、渡せませんでした。書いてくれた方々、本当にごめんなさい。もっと集める機会があればと自転車関係のイベントに持っていったり(して結局言い出せなかったり)、もたもたしている場合じゃなかったのに。本当にごめんなさい。もっととっとと持っていけばよかった。入院されている病院に送ればよかった。
明日、お通夜のときにお渡しします。
自転車の世界に戻ってこれなくても良かった。ただ、生きて元気に帰ってきてくれさえすれば良かったのに。
これからも献血は続けます。できるかぎり。私たちにできることなんて、悲しいぐらい、何もないから。病気なんて、本当に理不尽で残酷で、もういやだ。
白血病に倒れた宇田由香は最後まで闘った。キング三浦のブログ。