曽根富美子『親なるもの 断崖』

やはりこちらのブログから。http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080103/p1
読みたいような、読みたくないような。絶版なのが幸いなのか、不幸なのか。
amazonのレビューがすごい。

5つ星のうち 5.0 ★★★★★ 読むべきではなかった……, 2010/3/22
Byぴかちぃ "picachi" (神奈川県)
長い人生の中で一生心に残る漫画に出会うことは滅多にない。
ましてや、たった一度読んだだけで、心に傷が出来、しかも2度と頭の中から
追い出すことの出来ない漫画に出会うことなんて。
この漫画に関してだけは私は書評が書けない。
私はもう2度と読みたくはない。
もう彼女たちの言葉を瞳を忘れることは出来ないのだろうか。
1992年の日本漫画家協会賞優秀賞作品

5つ星のうち 5.0 ★★★★★ 徹底的な現実検証にもとづいた遊郭の日常の漫画 心理描写も素晴らしい, 2006/4/20
Byベンタ
昭和初期に東北の貧農から北海道の女郎屋に売られた4人の少女たちの運命を描く。当時の北海道は開拓地で、本土で食い詰めて流れてきたものや騙されて強制労働させられているものがいたり、男たちにとっても地獄の一丁目であった。開拓団と軍事工場、および港に入る漁師たちのために、北海道幕西遊郭街が設けられる。男たちの生活の凄まじさもさることながら、この遊郭で一生を送る女性たちの凄まじい現実。「遊女の現実」のひどさをあげればきりがない。
作者はまた、当時の女衒(貧農から女子を遊郭に斡旋する人)や遊郭の番頭という男性の存在とアイデンティティ、遊女と芸妓の違いなど、綿密な研究に基づいて緻密に漫画を書き込んでいる。ただ単に遊女の悲惨さだけを浮き彫りにしたのではなく、「遊郭」が文化的になぜ存在するのか、また遊郭をとりまく様々な者たちのアイデンティティはどこにあったのか、深く掘り下げて描いている。徹底的に検証した事実とともに心理の描写が素晴らしく、遊女が男に抱かれている心象風景など、背中に震えが走る。芸術とも呼べる素晴らしい漫画。

親なるもの断崖 第1部 (宙コミック文庫)
定価:¥ 788
中古最安価格:¥ 1,696 (6店出品)
コレクター品最安価格:¥ 3,000 (3店出品)
レビュー平均:5.05.0点 (6人がレビュー投稿)
出版日:2007-12-01
出版社:宙出版
作者:曾根 富美子
ページ数:416
by amazon通販最速検索 at 2011/01/26
親なるもの断崖 第2部 (宙コミック文庫)
定価:¥ 788
中古最安価格:¥ 1,992 (7店出品)
コレクター品最安価格:¥ 2,000 (1店出品)
レビュー平均:5.05.0点 (2人がレビュー投稿)
出版日:2007-12
出版社:宙出版
カテゴリー:文庫
作者:曾根 富美子
ページ数:345
by amazon通販最速検索 at 2011/01/26