マリオ・バルガス=リョサ『チボの狂宴』120ページまで。
6時間も昼寝をしてしまったので、読んでいる。2010年のノーベル文学賞受賞発表前に出版は決まっていたらしいけど、年末の新刊ラッシュはすごかったなあ。
面白いけど、結構あっさり風味な印象(比較対象が『世界終末戦争』だからか)。映画『ヤギの祝宴』はかなり忠実かも。再公開しないかなあ。少女時代のウラニアがもうあまりに可愛くて可愛くて。
映画の感想http://d.hatena.ne.jp/shanimu/20100729#1280418007
画像はラテンアメリカ映画祭から。http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/jp06/fiestachivo.php
プロパガンダや報道統制下の国民のみならず、インテリ層や軍人までもが、なぜ基地外の独裁者に傅くのか。嫁や娘を捧げ、衆人の前で面罵されてもなお、逆らえないまま、次々に失脚し、暗殺され。その「なぜ?」をガルシア=マルケスはマジックリアリズムで描くが、リョサは徹底したリアリズムで描く。その両方が「リアリズム」なのだよなあ。
矛盾に絡めとられて身動きができない苛立ちと絶望感を、あっさりとダイレクトに伝えるのに、リョサの回想とカットバックを多用する手法がイイ。「なぜあの時こうできなかったのか!」「あの時の俺はなぜあんなことを?」と苦渋の念で過去を振り返れば、俯瞰でわかりやすくなるしね。内容は複雑なのに。
定価:¥ 2,940 レビュー平均:4.2点 (6人がレビュー投稿) 出版日:2007-04 出版社:新潮社 クリエーター:Gabriel Garc´ia M´arques(原著) 鼓 直(翻訳) 木村 榮一(翻訳) 作者:ガブリエル ガルシア=マルケス ページ数:443 | |
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定価:¥ 2,940 レビュー平均:5.0点 (5人がレビュー投稿) 出版日:2009-03-11 出版社:河出書房新社 クリエーター:木村 榮一(翻訳) 作者:イサベル・アジェンデ ページ数:592 | |
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