有川浩『阪急電車』
定価:¥ 560 レビュー平均:4.2点 (125人がレビュー投稿) 発売日:2010-08-05 出版社:幻冬舎 カテゴリー:文庫 作者:有川 浩 ページ数:269 | |
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今日は神戸に買い物に行くのに、行きしは十三回り、帰りは今津線回りにしてみたら、帰りに宝塚に着くまでに読めてしまった。
今津線というと、六甲山ヒルクライムは逆瀬川からだし、小林には好きなカレー屋さんがあるし、仁川からは甲山に上れるしと、そこそこ縁があるので、雰囲気はまあそこそこ知っているつもり。宝塚での宝塚線から今津線への乗り換え時間が異様に短かったり(駆け足なら間に合う。歩いたら間に合わない。事故が起こらないほうが不思議なぐらい)、小林がなかなかいいところだったりとか(彼女が着替えたスーパーで、私らもジョギングルックに着替えたなあ……とか(^^;)、風景も目に浮かぶ。知らない誰かに話しかけたり、話しかけられたりという気安さも、確かに実在する。
ただまあ、小説のほうは、うーん、まあ面白かったけれども、知っている場所が出てるなあ以上のスペシャルな感じはない。これが全然知らない場所だったら……と想像すると、ちょっと困ってしまう。良くも悪くも小品。キャラクターのステレオタイプぶりも、箱庭のジオラマ的な作り物っぽさも、多分狙ったものなんだと思う。今津線という小さな路線を舞台にしたのも、小品として扱いやすかったからだろうし。だから、ボリューム不足というのは難癖になっちゃうだろうけど、……ねえ。キャラクターにも惹かれるほどの分量がなかったし、こういったパターンの群像劇のラストが一致団結して外への断罪の方面になっちゃって、あんまり気持のいいものではなかったのにもちょっと読後感を殺がれてしまった。なくてもいいんじゃないかなあ、あれ。予定調和っぽくなって、残念。
定価:¥ 1,995 レビュー平均:4.8点 (4人がレビュー投稿) 出版日:2000-07 出版社:講談社 作者:伊井 直行 ページ数:345 | |
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定価:¥ 1,575 レビュー平均:4.8点 (4人がレビュー投稿) 出版日:2007-07-11 出版社:講談社 作者:伊井 直行 ページ数:400 | |
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寓話的都市の崩壊と再生。
激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
720年に一度の大逆流が今津線に起ころうハズもないわけで、安易に全然違う小説を比べるのは良くないんだけど、やっぱり連想してしまった(単行本を数年ぶりに取り出して、ラストの「伝令、激流にかかる橋を征服する」を読んでしまった)。
でもまあ、邦画としては、ちょうどいいサイズだし、面白くなりそうなので、映画は見に行くつもり。
ちなみに、私のベスト映画は石井克人の『茶の味』なのでした……。
定価:¥ 4,935 レビュー平均:4.3点 (59人がレビュー投稿) 発売日:2005-02-25 メーカー:TCエンタテインメント カテゴリー:DVD ディレクター:石井克人 時間:143(分) | |
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