映画『ヒトラーの贋札』
おすすめ度の平均:
音楽の使い分け方がウマい!予想してた程の重みは感じられなかったが‥
人間の尊厳を踏みにじられても。
実話に基づいた謀略告発映画です
やや平板な展開
……映画は最後まで見ましょう。エンドクレジットの注釈(というか、謝辞)が重要ということもある。
かつて、ナチスドイツのユダヤ人収容所で、国家による贋札作りが行われた。携わるのはユダヤ人の優秀な技師や画家たち。贋札作りに成功すればナチスドイツの戦略を助け、同胞を窮地に追い込むことになる。しかし、失敗は彼ら自身の死を意味する。白いシーツに、立派なジャケット、きちんとした食事、休暇、医者……与えられた厚遇はかりそめのものにすぎず、塀一枚隔てた向こう側でユダヤ人が虫けらのように殺される音が聞こえる。正義のために……ナチスへのかすかな抵抗としてサボタージュを行う囚人もいる中、ドル札偽造の期限が迫る。優秀な贋札師サリーは、仲間の処刑を防げるのか。……『プロジェクトX』。
という感じ。ややきれいすぎることも含めて、素晴らしい『プロジェクトX』でした。
サリーの苦悩と葛藤に焦点をあてた演出が良かった。動揺と共に揺れる画面、ゆがむ音……。次の瞬間には殺されるかもしれない緊張と恐怖の中、連帯していく仲間達。サリー自身も贋札を作っていた一匹狼の犯罪者から、囚人達のそれぞれの苦悩とジレンマを抱えつつも、責任者として贋札作りを統率する者へと変わっていく。ただ「今日の銃殺よりも、明日のガス室」のために……。
ドイツ軍人側の書き方も気が利いていて面白く、隙のない映画でした。満足満足。
ヒトラーの贋札 悪魔の工房
posted with amazlet at 08.07.27
おすすめ度の平均:
筆者の凄まじい魂の叫び