その夜は月もなく星もなかった。斉婆はごみの山のなかに立って、事務所の窓のカーテンが風をはらむのを見た。なんだか黒い怪しい鳥が舞い上がり舞い下りしているようだ。市内の大時計が二時を打ち、ごみの山のなかでだれかがうなり声をあげた。斉婆は音のし…
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