『WORLD WAR Z』

WORLD WAR Z
WORLD WAR Z
posted with amazlet at 10.06.24
マックス・ブルックス
文藝春秋
売り上げランキング: 16799
おすすめ度の平均: 4.5
5 醜と美のコントラスト
4 史上最大の(ゾンビ)作戦か
5 ドキュメンタリー好きにはお勧めです
5 オールレンジテンターテインメントの傑作
3 残念ながら、読了放棄。
まるまる1ヵ月半ぐらいかかってやっと読み終わった。
いわゆるゾンビ映画を含むホラー映画全般を最も苦手とし、ゾンビものといえば、もう20年前に読んだ平井和正『死霊狩り(ゾンビーハンター)』(正確に言うとゾンビ物ではなくて、映画『スペースバンパイア』(未見)みたいな宇宙人による人体のっとり)ぐらいしか知らないので、ロメロゾンビの基礎知識はまるでなかったけど、楽しめた。
World War Z」、ゾンビ大戦と呼ばれる戦争の終結から10年後の世界で、戦争の証言を集めたオーラルヒストリー、ドキュメンタリーの体裁をとった小説。
全体的に世界を俯瞰することなく、あくまでもミニマムな個人の視点から、「体験したこと」だけが語られる。その積み重ねで、徐々におぼろげながら、世界がどんな風な姿になっているのかが推測できるのだが、それはあくまでも一側面でしかなく……。語られないところの、影であるからこその存在感(北朝鮮とか。日本の本土もなあ)が、文字通り世界に陰影を与えるんだよなあ、という意味で、とても好みでした。
また、普通の戦争なら、戦う双方それぞれに義があるもんだが、ゾンビには何しろそれがなく、だから、これは戦争シミュレーションというよりも、災害シミュレーションの方が近い気がする。既に死んでいるから二度と死なない死者たちの多くが、海にたどり着き、海底でいまだ生息しているとか、とても面白い。
一度はパニックに陥った人類も、やがて叡智でゾンビに(おおかた)勝利するのだが、そこの展開はあっけないというか、ちょっと楽天的すぎる気もした。そうでないと、この書物が成立するはずもないのだが。
でも、これを映画化かー。面白いのかなあ?
次は『高慢と偏見とゾンビ』? その前に『高慢と偏見』を読んだほうが面白いんだろうねえ、多分。
高慢と偏見とゾンビ(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
ジェイン・オースティン セス・グレアム=スミス
二見書房
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おすすめ度の平均: 4.0
3 予習なしで読みました。
4 実は少女マンガっぽい
4 予習が大前提
5 HIP HOPでゾンビと踊れ
高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)
ジェイン・オースティン
河出書房新社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 なめらかな文体
4 中野好夫さんの次に良い
4 訳について
4 最高のお話なのに・・・
5 良質な日本語による翻訳です。