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映画『魔女と呼ばれた少女』

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基本的人権なんて、社会丸ごとで保護し、理論と理性で信じ込み、侵した者を罰していかなければ、儚く消えうせてしまう。当たり前のものではない。映画の中のコンゴには、はなから存在しない。それでも人は生きる。
12歳で拉致され少年兵となったコモナは死にゆく人々に「生きろ」と言われ、生かされる。大勢の人を殺し、束の間の恋も踏みにじられ、14歳でレイプされて憎しみしか抱けない子を宿す。戦争の意義もイデオロギーも、「生きる意味」も、「余裕」があって初めて問われる物だ。
思想はない。内戦の森のすぐ外で素朴に生活を営む村が存在する。銃も鉈も拉致も殺害もレイプも、悲惨がただ日常であり、人間の尊厳も最初から存在しない。視点に善悪はなく、そうあるだけを映す。『ニーチェの馬』に近い。
コモナが見る亡霊は、カート・ヴォネガットの描くトラルファマードル星人的な「何か」。悲惨で受け入れがたい生を、理不尽な歪みを、影絵に落として見るような。魔女狩り映画じゃなかった。
理とも情とも全く無関係に、女は子を宿し、生まれた子は生きていく。理不尽さと力強さとやりきれなさ。悲惨だけど、怖い映画じゃなかったし、見て本当に良かった。今地球上にこういう世界があるということが、心で理解できる映画。まあ受けないだろうけど。
ああ、でもね、でもね、白い鶏のくだりはね、本当に本当に幸せで素晴らしかったよ。バイクで3人乗りしている時の行きと帰りのしぐさの違いとか……。今年20本以上見たけど、電車の中で涙をこらえたのはこの映画だけ。

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